ADVAN(アドバン)タイヤの開発ストーリー
「アドバン」は、ヨコハマの乗用車向けタイヤラインナップにおける、ハイエンドブランドです。当初は、モータースポーツ用のタイヤとして開発されましたが、現在では、広く乗用車用のブランドになっています。
初代モデル「ADVAN HF」が登場したのは、1978年のことです。当時の「アドバン」は、レーシングマシンやスポーツカーのためのタイヤでした。4年後の1982年には、「アドバン」を装着したマシンが、国内のトップレベルレースであった全日本F2選手権で初優勝し、ヨコハマの技術力の高さを示しました。
2000年代に入ると、海外高級車の新車装着タイヤとしても採用されます。2004年には「ベントレー コンチネンタル」に、2005年には「ポルシェ カレラ4」に、「アドバン」のタイヤが装着されました。その後も、ポルシェやアウディ、メルセデスベンツなど、そうそうたる海外車のタイヤとして採用され、ラグジュアリーブランドとしての新たな地位を確立します。
現在は、ミニバンやコンパクトカーなども含めた、乗用車向けのブランドとなっています。しかしながら、同社のタイヤブランドの中では、依然としてプレミアムクラスの位置付けであり、またスポーツカー・高級車向けのラインナップも存在します。
「アドバン」のブランドとしてのコンセプトは、「走りを楽しむこと」です。そのため、走行そのものに関わる性能はもちろんのこと、車内の快適性も非常に重視されています。この快適性を高めるため、タイヤ表面のパターンは最適化され、走行中のノイズを抑制しています。また、路面が濡れているときのグリップ性能を高めるために、ウェット性能を高めるシリカをより細かく、より均一に、ゴムに混ぜ込むことに成功しています。この技術改善により、耐摩耗性能と燃費性能も向上しました。
さらに、タイヤ内部は複雑な構造になっています。騒音を低減するため、内部のベルトやベースゴムなど、各所に工夫がこらされています。タイヤそのもののフォルムも、新型モデルでは一新されました。このようにして、走行性能と快適性の両立が図られているのです。
ADVAN(アドバン)タイヤの製造技術
パターン技術
「アドバン」は、ヨコハマのタイヤブランドの中でも、プレミアムな位置付けになっているため、車内の静粛性も、走行性能と同様に重要視されます。「アドバン」の進化したパターン技術は、走行時の安定性だけでなく、車内の静粛性を高めることができました。
パターンとは、タイヤ表面の凹凸の模様のことです。この凹凸のブロックが小さければ小さいほど、走行中のノイズは低減されます。「アドバン」のパターンにおいては、ブロックが144に細分化されています。単に細分化するだけではなく、5種類の異なる大きさを織り交ぜることによって、静かな車内を実現しているのです。
まず、車から見てインサイドには、比較的細かいブロックが配置されています(図の①)。これにより、ノイズを抑制するとともに、濡れている路面における排水性を高めています。アウトサイドもブロックは細かいのですが、「サイプ」と呼ばれる非常に細かい溝が部分的に入っており、曲がる際の安定性を高めています(図の②)。中央には、「リブ」と呼ばれる縦方向の大きめの溝が2本入っており、直進安定性を高めています(図の③)。
このように、各部分のパターンが異なる役割を担い、タイヤ全体として様々な機能を持つことが可能となっているのです。
NEW dB コンパウンド
「コンパウンド」とは、もともと「化合物」という意味なのですが、タイヤについては、「タイヤを形づくる物質」という意味でも用いられています。タイヤの素材そのものを改良することで、主に燃費性能とウェット路面での走行性能を高めることができています。
燃費性能を上げるためには、抵抗を少なくすることが必要です。また、濡れた路面でしっかり止まるためには、路面をグリップしなければなりません。そして、この2つの性能は、基本的に相反するものなのです。しかし、この2つを両立してくれるのが、「シリカ」という物質になります。
この新開発コンパウンドでは、ゴムと混ざりにくいシリカを、より均一にゴムに分散させることに成功しました。シリカの粒の大きさ自体もより小さくし、高い精度でシリカをゴムに取り入れることができています。
騒音低減構造
タイヤ内部の構造にも、騒音を低減する工夫が施されています。
そもそも、タイヤのサイズによってベースゴムの厚さは異なりますが、ノイズを小さくするためには、この厚みも重要になってきます。そのため「アドバン」では、人間の耳につく特定の周波数帯のノイズをカットできるように、厚みが最適化されています。
タイヤ内部のベルトは、通常より幅が広く取られています。これにより、ショルダー部(タイヤの肩の部分にあたり、接地面と側面部の中間ほどの部分)の大幅に抑制しています。
他にも、タイヤの両端部には「サイレント・エッヂカバー」が配されています。これは、タイヤ末端部の剛性をコントロールし、同じくショルダー部からの、中周波域のノイズが低減されています。
専用プロファイル
プロファイルとは、タイヤの断面の形状のことです。タイヤが受け止める重量というのは、当然ながら非常に大きいものとなります。しかも、停止やコーナーリングなどといった、タイヤに負荷がかかる運動を数え切れないほど繰り返すのですから、このプロファイルの形状が様々な性能に影響を及ぼすということは、おわかりいただけることでしょう。
新型のプロファイルは、接地面はよりフラットになり、衝撃をタイヤ全体で吸収することを追求したフォルムとなりました。これにより、燃費性能、耐摩耗性能、安定性に加えて、静粛性も向上しています。
ADVAN(アドバン)タイヤの適合車種
アドバン デシベル V552(ADVAN dB V552)
適合車種:セダン、コンパクトカー、ミニバン(スバル レガシー、トヨタ ソアラ、トヨタ マークXなど)
アドバン HF タイプD(ADVAN HF TypeD)
適合車種:ヒストリックカー(トヨタ カローラレビン、トヨタ スプリンタートレノ、日産フェアレディZなど)
アドバン スポーツ V105(ADVAN Sport V105)
適合車種:スポーツカー、セダン(アウディ A3、メルセデスベンツ Aクラス、BMW3シリーズなど)
アドバン フレバ V701(ADVAN FLEVA V701)
適合車種:スポーツカー、セダン、コンパクトカー、ミニバン(マツダ ロードスター、トヨタ 86、スバル WRXなど)
アドバン ネオバ AD08R(ADVAN NEOVA AD08R)
適合車種:スポーツカー(トヨタ レクサス、メルセデス ベンツ CLSクラス 、BMW3シリーズなど)
アドバン デシベル(ADVAN dB)
適合車種:セダン(ボルボ v70、日産 リーフなど)
アドバン S.T.(ADVAN S.T.)
適合車種:SUV/クロスオーバー(トヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼル、スバル XVなど)
アドバン スポーツ V105 Z・P・S(ADVAN Sport V105 Z・P・S)
適合車種:ラグジュアリースポーツカー(トヨタ レクサスLC500h、ジャガー XJなど)
アドバン スポーツ Z・P・S(ADVAN Sport Z・P・S)
適合車種:ラグジュアリースポーツカー(トヨタ レクサスLC500h、ジャガー XJなど)
アドバン A052(ADVAN A052)
適合車種:スポーツカー(マツダ・ロードスター、ホンダ S660、ダイハツ コペンなど)
ADVAN(アドバン)タイヤのサイズ展開
アドバン デシベル V552(ADVAN dB V552)
タイヤサイズ:14 インチ、15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ、20 インチ
アドバン HF タイプD(ADVAN HF TypeD)
タイヤサイズ:13 インチ、14 インチ、15 インチ
アドバン スポーツ V105(ADVAN Sport V105)
タイヤサイズ:16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ、20 インチ、21 インチ、22 インチ、23 インチ
アドバン フレバ V701(ADVAN FLEVA V701)
タイヤサイズ:15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ、20 インチ
アドバン ネオバ AD08R(ADVAN NEOVA AD08R)
タイヤサイズ:15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ
アドバン デシベル(ADVAN dB)
タイヤサイズ:15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ、20 インチ
アドバン S.T.(ADVAN S.T.)
タイヤサイズ:17 インチ、20 インチ
アドバン スポーツ V105 Z・P・S(ADVAN Sport V105 Z・P・S)
タイヤサイズ:16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ
アドバン スポーツ Z・P・S(ADVAN Sport Z・P・S)
タイヤサイズ:16 インチ、17 インチ、18 インチ
アドバン A052(ADVAN A052)
タイヤサイズ:16 インチ、17 インチ、18 インチ
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