iceGUARD(アイスガード)タイヤの開発ストーリー
「アイスガード」は、ヨコハマのスタッドレスタイヤブランドです。初代モデルの登場は2002年のことですが、その歴史は1985年にまでさかのぼることができます。当時は、雪道走行といえばスパイクタイヤを装着していましたが、道路を傷めてしまうということ、道路が削り取られて舞い上がる粉塵が問題となったことから、スタッドレスタイヤが登場します。1985年に発売されたスタッドレスタイヤの初代は、「ガーデックス(GUARDEX)」という名前でした。そして、その17年後の2002年に、初代アイスガードが登場します。
「アイスガード」が革新的であった点は、「氷上の水の膜の除去」にフォーカスを当てた点です。凍った道で車がスリップしてしまう原因は、氷とタイヤ表面の間にある水です。その水をタイヤが吸収してしまえば、スリップは低減される、というのが「アイスガード」の発想です。そのため、水を吸収する素材と、より水を吸収しやすくなる形状が採用されています。
その後のアップデートにしたがって、吸水技術はもちろんのこと、氷上でのグリップ性能も向上しました。「プレミアム吸水ゴム」の開発により、水膜の除去能力を高めると同時に、その表面形状によって、タイヤ表面が地面をよりグリップできるようになりました。
また、「ブルーアース(BluEarth)」などといった、ヨコハマのサマータイヤブランドの技術も生かし、燃費の向上にも成功しています。2017年に登場した最新のモデルは、ユーザーの声を反映して、近年の除雪技術の向上などによる冬のウェット路面の増加に着目しています。凍った路面と濡れた路面の両方で安定した走行ができるよう、ゴムを改良して接地性を向上させています。
iceGUARD(アイスガード)タイヤの製造技術
プレミアム吸水ゴム
凍った路面を走行する際にタイヤが滑ってしまう原因となる、氷とタイヤの間の水の膜を除去するのが、この「プレミアム吸水ゴム」です。その名の通り、高い吸水性を発揮するゴムなのですが、そのために2つの技術が使われています。
1つ目は、「新マイクロ吸水バルーン」です。このゴムは、非常に小さい一種の空洞のようなものを持っており、タイヤの表面にも穴を形成しています。タイヤの表面の水は、まずこの穴の中に取り込まれます。
2つ目は、「エバ吸水ホワイトゲル」です。これは、水を吸う成分で、バルーンに取り込まれた水を吸い上げてくれます。単にゴム素材の吸水性を高めるだけではなく、まずタイヤ表面の穴に水を取り込むというのが、この「プレミアム吸水ゴム」の大きなアドバンテージです。
「プレミアム吸水ゴム」の性能は、水を除去することのみにとどまりません。氷の微細な凹凸にもゴムがフィット・グリップするために、「シリカ高反応ホワイトポリマー」を採用しています。タイヤの柔らかさを向上させるシリカをより均一に、より分散させて配合することで、冬の寒さの中においても、ゴムが路面に密着するようになっています。この接地性の向上により、ウェット路面でのグリップ性能も増すことになりました。さらに、「新マイクロ吸水バルーン」による表面の穴は、氷の表面に食い込み、エッジ効果を増す、というはたらきもあります。
このゴムには、「オレンジオイルS」という成分も付加されています。これは、ゴムの柔らかさを持続させることに寄与しているため、冬の低温時でもゴムが硬くなるのを防ぎます。それにより、タイヤの柔らかさ・しなやかさを約4年もの間キープさせることにも成功しています。
非対称パターン技術
タイヤにおける「パターン」という言葉は、タイヤ表面の凹凸模様のことを指します。一般にパターンを工夫することで、自動車の力の伝わり方や、排水性能を改善することができます。このパターンを非対称にする、つまり、車から見てインサイドとアウトサイドで異なるパターンを採用することが、「アイスガード」の性能を高めています。
まず、インサイドのパターンは、凍った路面・濡れた路面での接地性を向上させます。接地面は幅広くなっており、路面にしっかりと接地します。また、サイプという細かい溝が高密度で配置されており、これがグリップ性能をより高めてくれます。
対して、アウトサイドのパターンは、雪上での走行を念頭に置いたものとなっています。溝の面積は大きく、これが雪に食い込み、また雪を踏み固めて走行することを助けます。溝が交差する点には、三角形の穴が配置され、溝に詰まった雪を排出しやすくしています。さらに、縦方向には、ジグザグに溝が入っており、これも雪をグリップしやすくします。
加えて、タイヤには「ダブルマイクログルーブ」という非常に細かい溝がついており、排水性とグリップ性能を与えています。しかもこれが横方向と斜め方向に組み合わされているので、どんな方向に力がはたらいても排水できることになります。また、タイヤの剛性を高めるために、「クワトロピラミッドディンプルサイプ」という構造を採用しています。ゴムが柔らかければ、路面に対しての接地性は向上しますが、柔らかすぎるとブロックが倒れてしまい、操縦が安定しません。これを解決するため、路面に対して縦方向の安定性を高めることができるのが、このサイプなのです。
iceGUARD(アイスガード)タイヤの適合車種
アイスガード 6(iceGUARD 6)
適合車種:ハイブリッドカー、スポーツカー、セダン、コンパクトカー、ステーションワゴン、ミニバン、SUV/クロスオーバー(トヨタ プリウス、ホンダ フィットハイブリッド、日産 セレナハイブリッドなど)
アイスガード 5 プラス(iceGUARD 5 PLUS)
適合車種:ハイブリッドカー、スポーツカー、セダン、コンパクトカー、ステーションワゴン、ミニバン、SUV/クロスオーバー(トヨタ レクサス、マツダ ロードスター、トヨタ 86など)
アイスガード トリプル プラス(iceGUARD TRIPLE PLUS)
適合車種:ハイブリッドカー、スポーツカー、セダン、コンパクトカー、ステーションワゴン、ミニバン(BMW 3シリーズ、トヨタ クラウン、日産 スカイラインなど)
アイスガード トリプル Z・P・S(iceGUARD TRIPLE Z・P・S)
適合車種:ハイブリッドカー、スポーツカー、セダン、ステーションワゴン(スバル レガシィー、トヨタ カローラフィールダー、メルセデスベンツ Cクラスワゴンなど)
アイスガード SUV G075(iceGUARD SUV G075)
適合車種:SUV/クロスオーバー(トヨタ C-HR、スズキ ハスラー、ホンダ ヴェゼルなど)
アイスガード iG91(iceGUARD iG91)
適合車種:小型トラック(いすゞ エルフ、三菱 キャンター、日野 デュトロなど)
アイスガード iG91 フォー バン(iceGUARD iG91 for VAN)
適合車種:バン(トヨタ ハイエースバン、スズキ エブリイ、日産 キャラバンなど)
iceGUARD(アイスガード)タイヤのサイズ展開
アイスガード 6(iceGUARD 6)
タイヤサイズ:13 インチ、14 インチ、15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ
アイスガード 5 プラス(iceGUARD 5 PLUS)
タイヤサイズ:12 インチ、13 インチ、14 インチ、15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、19 インチ
アイスガード トリプル プラス(iceGUARD TRIPLE PLUS)
タイヤサイズ:12 インチ、13 インチ、14 インチ、16 インチ、17 インチ、19 インチ、20 インチ
アイスガード トリプル Z・P・S(iceGUARD TRIPLE Z・P・S)
タイヤサイズ:16 インチ、17 インチ、18 インチ
アイスガード SUV G075(iceGUARD SUV G075)
タイヤサイズ:15 インチ、16 インチ、17 インチ、18 インチ、20 インチ、21 インチ
アイスガード iG91(iceGUARD iG91)
タイヤサイズ(LTRチューブレス):15 インチ、15.5 インチ、16 インチ、17.5 インチ
タイヤサイズ(LTRチューブタイプ):15 インチ、16 インチ
アイスガード iG91 フォー バン(iceGUARD iG91 for VAN)
タイヤサイズ:12 インチ、13 インチ、14 インチ、15 インチ
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