タイヤの扁平率の違いによるメリット・デメリットとは?見た目以外にも様々な影響が!

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タイヤの扁平率の違いによるメリット・デメリットとは?見た目以外にも様々な影響が!
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はじめに

タイヤの扁平率は、見た目と乗り心地を大きく左右する要素です。最近は見た目が薄型の「低扁平率」タイヤが一般的になっています。
タイヤの扁平率の定義と見た目や乗り心地への影響について解説していきます。

タイヤの扁平率について知っておこう

タイヤの扁平率について知っておこう

車の重さを支えながら走らせるタイヤは車のもっとも重要な部品の一つです。
タイヤが変わると車の印象も大きく変化するため、初心者でもタイヤのドレスアップにチャレンジする方は多いようですが正しい知識を持っていないと危険を招くことにもなりかねません。
タイヤの扁平率が変化するとどのようなメリットやデメリットがあるのかなど、タイヤの扁平率について詳しくご説明します。

タイヤの扁平率とは

タイヤの幅に対する高さの比率を表す数値です。
タイヤの高さ÷タイヤ幅×100で求めることができ、一般的にはタイヤのサイドウォールに記載されています。
数値が小さいほど断面の薄いタイヤ、大きければ厚いタイヤとなります。
ドレスアップの一つであるインチアップも、タイヤの扁平率と関係しています。
インチアップは、ホイールの存在感が大きくなり、車の存在感も圧倒的に増すので取り入れている方も多くいると思います。

低扁平タイヤが流行!?

低扁平タイヤが流行!?

近年タイヤの扁平率はどんどん下がり、セダンやミニバンなどでも扁平率50%台、スポーツグレードになると40%台、ホンダ・シビックタイプRなどのスポーツタイプでは30%台という驚きの低さです。
低扁平タイヤが一般化していった理由の一つは、そのルックスの良さが大きいでしょう。
タイヤが低扁平になれば、ホイールが際立って見えることで印象が大きく変わります。
次々と新型車が登場している現在、少しでも消費者の車への意識付けしようと思ったらインパクトのある足回りは大きなアピールポイントになり得るでしょう。
サーキットなどのシビアな走行性能を必要としている車以外にも低扁平タイヤが使用されるようになったのはそういう理由があったのです。

タイヤの扁平率を変えるとは?

タイヤの扁平率を変えるとは?

タイヤの扁平率を変える内容として、「インチアップ」、「インチダウン」と呼ばれる方法があります。

低扁平になる「インチアップ」

タイヤの外形を変えずにホイールのリム径を大きくする方法です。
タイヤのドレスアップで最も一般的な方法になります。

扁平率が上がる「インチダウン」

インチダウンはインチアップとは逆にタイヤの外径を変えずにリム径を小さくする方法です。
主にスタッドレスタイヤへの変更時に行われることが多いです。
タイヤは基本的にサイズが小さくなると価格も比例して安くなるので、高額になりがちなスタッドレスタイヤをインチダウンすることで価格を抑えるというメリットがあるからです。
またタイヤの扁平率が高くなるとタイヤ幅が細くなり、車の重量が一点に集まるようになり接地圧がアップすることで雪道でも滑りにくくなるという効果もあります。

扁平率が高い場合、低い場合のメリット・デメリット

扁平率が高い場合のメリット・デメリット

扁平率が高い場合のメリット・デメリット

タイヤの扁平率が高い場合には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット1: 扁平率が高いと「乗り心地がいい」

タイヤの扁平率が高いと、タイヤに厚みが出てクッション性も高くなるため、路面の小石やでこぼこの衝撃をより吸収しやすくなり、乗り心地が良くなる傾向があります。

メリット2: 扁平率が高いと「燃費向上」が期待できる

高い扁平率のタイヤは、接地面が小さくなるため転がり抵抗が少なくなります。その結果、燃費の向上が期待できます。

デメリット1: コーナリング性能では低扁平タイヤに劣る

扁平率が高いタイヤは接地面が少なくなるうえ、タイヤがよれやすくなるため、コーナリング時のハンドリング性能は低扁平タイヤには劣ると言えるでしょう。

デメリット2: 扁平率が高いと「見た目のスタイリッシュ感がなくなる」

低扁平タイヤのようなスタイリッシュなルックスの良さは持たないので、スタイリッシュさを求める方には低扁平タイヤが適しています。

扁平率が低い場合のメリットとデメリット

扁平率が低い場合のメリットとデメリット

タイヤの扁平率が低い場合には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット1: 低扁平タイヤだと「スポーティーでスタイリッシュなルックス」

タイヤの扁平率が低くくなることでホイールを目立たせることができ、見た目のスタイリッシュさがアップします。特にデザイン性の高いホイールを使用している場合には、そのデザインを引き立てる効果があります。低扁平タイヤのシャープなルックスはインチアップ人気を支えている要素と言えるでしょう。

メリット2: 低扁平率タイヤだと「ハンドリングの応答性が高くなる」

低扁平タイヤは接地面積が増えるため、高速走行時の安定性が向上します。また、ハンドリングが機敏になり、コーナリング性能も向上する傾向があります。
そのため、スポーツモデルでは低扁平タイヤが使用されることが一般的です。

デメリット1:低扁平率タイヤだと「乗り心地は悪くなる」

低扁平タイヤでは、タイヤの中の空気の量が少なくなるため、タイヤのクッション性が低下し、路面の衝撃を拾いやすくなります。その結果、乗り心地が悪くなってしまいます。

デメリット2: 低扁平率タイヤだと「燃費性能が低下する」

低扁平化することでタイヤの幅が横に広がり、接地面積が大きくなることで転がり抵抗の増加につながります。またインチアップ場合はホイールのサイズアップで重量も増すため、燃費性能は低下する傾向にあります。

タイヤの低扁平化にあたって気を付けたいポイント

インチアップなどでタイヤの扁平率を下げる場合には注意しておくべき点があります。

運転面への影響

タイヤを低扁平化するとそれまでのハンドリングと感覚が変わるので運転の際には注意が必要です。
コーナリング時などにハンドルが重くなったり、それまでよりもハンドリング操作が機敏になったりするので慣れるまでは慎重に運転を行うようにしましょう。

空気圧の管理

扁平率が小さいということはタイヤ内の空気の量も少ないということになります。
正常なタイヤであってもタイヤの空気は自然に少しずつ抜けていくので、もともと空気の容量の少ない扁平率の低いタイヤは空気圧不足に陥りやすいといわれています。
空気圧が低下した状態で段差などの衝撃を受けるとセパレーションを起こしたりする可能性もあるので、こまめに空気圧をチェックするようにしてください。

タイヤ外径、ロードインデックス

インチアップなどで低扁平化を図る場合はタイヤの外径を変えないことが大切。
タイヤの外径が変化すると速度計に誤差が現れるようになり危険です。誤差が大きくなると車検にも通らなくなります。
またロードインデックスにも注意しましょう。ロードインデックスはタイヤが耐えられる負荷の指数です。
純正タイヤよりロードインデックスが低いタイヤに変えてしまうとタイヤが車の負荷に耐え切れず、バーストしてしまう可能性があります。
タイヤサイズを変更する際にはタイヤの外径は変えず、ロードインデックスは純正タイヤと同じかそれ以上のものを選ぶようにしてください。

まとめ

タイヤの扁平率に関するメリット・デメリットなどをご紹介しました。
それぞれの特徴を把握して、自分の求めるタイヤの性能、そしてルックスにぴったりくるものを選んでみてはいかがでしょうか。
安全で快適なカーライフのためにも、正しい知識を持ってタイヤ選びやドレスアップを楽しんでください。

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