タイヤのスリップサインをチェック!タイヤの溝の見方・測り方を確認しよう!車検合格に溝は何ミリ必要?

公開日
更新日
タイヤのスリップサインをチェック!タイヤの溝の見方・測り方を確認しよう!車検合格に溝は何ミリ必要?
この記事は6分で読めます。

はじめに

タイヤのスリップサインは、タイヤの摩耗状態を視覚的に確認するための重要な要素です。
この記事では、タイヤのスリップサインの位置や見方、摩耗の判断基準、測定方法について解説します。
またタイヤの交換タイミングや安全な走行に役立つ情報をお伝えしていきます。

タイヤの摩耗を把握するためのスリップサイン

タイヤの安全な走行において欠かせないのがスリップサインです。スリップサインはタイヤの摩耗状態を視覚的に確認することができる重要な要素です。
タイヤ交換のタイミングや車検通過のためにも、スリップサインの場所や見方、測り方を把握しておきましょう。

タイヤのスリップサインはどこにある?

スリップサインはタイヤの溝の奥に存在します。目を凝らしてみると、タイヤ溝の中に所々盛り上がっている箇所が確認できます。これがスリップサインです。
通常、1周の溝には4〜9個のスリップサインがあります。
なぜスリップサインは見えにくい場所に設けられているのでしょうか?

スリップサインが教えてくれること

スリップサインはタイヤの摩耗状態を示してくれる重要なサインです。タイヤは使用するうちに摩擦を受け、徐々に溝が浅くなり溝の奥が露出してきます。同様に、溝の奥に設けられたスリップサインも徐々に露出していきます。スリップサインの高さは溝の底から1.6mmです。つまり、スリップサインが見えた時点で溝の深さは1.6mmまで減っていることになります。
その名の通り、「スリップサイン」が見えたら、タイヤは滑りやすくなり安全な走行ができなくなるのです。
スリップサインを見えにくい場所に設置することで、タイヤの摩耗状態を段階的に知らせてくれます。
「見えにくい→見えるようになる→よく見える→完全に見える」というプロセスを経て、タイヤの摩耗度合いを把握することができるのです。

スリップサインの確認方法

スリップサインの確認方法

スリップサインの確認方法とタイヤの摩耗の判断基準をご紹介します。
スリップサインは溝の奥にあるため、初めてスリップサインを確認する際はタイヤの溝を上から下まで確認した方もいるのではないでしょうか。
実はスリップサインを簡単に探す方法があります。

まずは三角マークを探す!

タイヤの側面にいくつか小さな三角形の刻印があります。タイヤサイズやメーカー名の刻印よりも外側にあり、使用年数が長いタイヤでは、劣化で少し見えにくくなっているかもしれませんが、必ず付いていますので見つけることができます。

三角の延長線の溝に注目!

三角形の頂点から真っ直ぐに引いたラインと交差する溝を確認するとスリップサインが見つかります。スリップサインは溝の数だけ設けられていますので、全ての溝をチェックします。

1つでも露出していたら早急にタイヤ交換を!

溝が4本あり、三角形の刻印が4つあれば合計で16個のスリップサインが存在します。これらをすべてチェックします。
もし1つでも露出していれば、スリップの危険性が高まっているため、タイヤ交換を早急に行うことをおすすめします。

スタッドレスタイヤはプラットホームもチェック!

スタッドレスタイヤにもスリップサインが存在しますが、スリップサインはあくまでも乾燥路面での安全の目安であり、凍結路面や雪道での安全性や性能を担保するものではありません。
スタッドレスタイヤの摩耗の目安となるのがプラットホームです。
タイヤ側面、メーカー名やタイヤサイズより内側に矢印が上下左右4ヶ所に刻印されています。矢印の先端から真っ直ぐに引いたラインと交差する溝を確認すると、 スリップサインと同様の盛り上がりが確認できます。プラットホームは、溝が50%摩耗した時に露出します。
この状態ではスタッドレスタイヤとしての性能が低下し、雪道や凍結路面でのスリップの危険性が高まります。

どれぐらい摩耗している?簡単な測定方法をご紹介

スリップサインが完全に露出してしまうと、安全走行ができなくなってしまいます。
そのため、タイヤの摩耗度合いを日頃から把握しておき、スリップサインが出る前にタイヤ交換をする必要があります。

タイヤ交換の目安となる溝の深さ

一般的な新品夏タイヤの溝の深さは約8mm(スタッドレスは約10mm)、溝の深さが2〜3mm程度になったら、タイヤ交換の準備を始めることをおすすめします。
しかし、溝の深さが2〜3mmになったことを示す明確なサインはありませんので、定期的な確認が必要です。
溝の深さを確認するために専用の道具を使う方法と、身近にある物を目安にする簡易的な測定方法をご紹介します。

タイヤの溝測定に特化したタイヤ摩耗計

タイヤの溝測定に特化したタイヤ摩耗計

十字型の測定器で「デプスゲージ」とも呼ばれています。垂直ゲージの下端をタイヤの溝へ入れ、水平パーツをタイヤの接地面に当てます。
水平パーツは、溝が深ければ上方向に、浅ければ下方向にスライドする仕組みです。
その状態で溝をぐるりと一周(スリップサインは避ける)すると、最も摩耗している場所の溝の深さが分かります。
300円ほどで購入できますので、1つ持っておくと安心です

自宅にあるノギスでも測定可能

自宅にあるノギスを使用しても溝の深さを測定できます。
ノギスのデプスバーを溝に差し込み、ゲージを読み取るだけです。
ノギスを強く押し付けてしまうと測定値が変わってしますため、軽くフィットさせる程度で十分です。

10円玉1枚でタイヤの溝が確認できる!

10円玉1枚でタイヤの溝が確認できる!

溝の深さを正確に測ることはできませんがタイヤ交換の目安を知る程度でしたら10円玉を使用する方法もあります。
10円玉の左右いずれかを差し込み、弧を描いている葉の模様の中央の葉が完全に隠れれば溝の深さは十分です。
葉が半分見えているようであればそろそろタイヤ交換を考えましょう。完全に見えるようであれば早急にタイヤ交換が必要です。

スタッドレスのプラットホームは100円玉で確認

スタッドレスタイヤの溝の深さを測る目安となるのが100円玉です。
100円玉を反時計回りに90度回転させて「1」側をタイヤに差し込み、「1」が見えていたら、溝の深さは約5mmです。
スタッドレスタイヤの性能が発揮できないほど摩耗しているサインです。凍結路面を走る場合は早急にタイヤ交換しましょう。

スリップサインの放置は道路運送車両法違反に!

スリップサインの放置は道路運送車両法違反に!

スリップサインの放置は、道路運送車両法上の「整備不良 制動装置等」という違反に相当します。
車に乗る場合、安全のための整備が義務付けられており、スリップサインが出ているということはスリップしやすい危険な状態のまま運転しているとみなされるからです。

減点:違反行為には2点の減点が課せられます。
罰金:普通車の場合、9,000円の罰金が課せられますし、大型車の場合は12,000円となります。
減点や罰金の対象となるほど、スリップサインの放置は危険な行為であることを認識しておきましょう。

タイヤ交換時期の第一の指標はスリップサイン

タイヤ交換時期の目安として、走行距離や年数が挙げられます。
一般的には、走行距離が3万キロを超えた場合。年数に関しては、各タイヤメーカーでは、使用開始から5年以上経過したタイヤを使用される場合は、タイヤ販売店などのプロスタッフによる点検を受けることを推奨しています。 また製造後10年経過したタイヤは、溝が残っているなど外観上問題ない場合でも、ゴムの劣化などの問題から新品タイヤに交換すことを推奨しています。
使用頻度や走行する路面の状況、スピードなどによっても摩耗のスピードは異なりますので、単純に距離や年数だけを目安にすると、想像以上に摩耗が進んでいたり、まだ十分に使用できるタイヤを早めに交換してしまう結果につながります。
タイヤの摩耗は、まず第一にスリップサインやタイヤの溝を確認するのが理想的です。
その上で、使用年数や走行距離を加味し、適切な時期にタイヤ交換を行いましょう

  • 情報の取扱には十分注意し、確認の上で掲載しておりますが、その正確性・妥当性・適法性・目的適合性等いかなる保証も致しません。