タイヤのリサイクルの仕組みを解説!

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タイヤのリサイクルの仕組みを解説!
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はじめに

摩耗して使えなくなったタイヤは買い換えの際にカー用品店やガソリンスタンドなどで引き取ってもらうことが多いでしょう。
では、引き取られたタイヤはどのように処分されるのでしょうか?
実は近年ではタイヤのほとんどがリサイクルされ、燃料や再生タイヤとして生まれ変わっています。
今回はエコロジーがちょっと気になる方に向けて、タイヤがリサイクルされる仕組みをご紹介します。

驚きのリサイクル率

驚きのリサイクル率

JATMA(日本自動車タイヤ協会)の発表によれば、2022年において日本国内で発生した廃タイヤの再利用率は98%であり、ほとんどがリサイクルされています。
タイヤは一般のごみとして回収してもらうことはできず、産業廃棄物として扱われます。産業廃棄物といえば埋め立てられる、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
ですが、タイヤに限って言えば、廃棄物として埋め立てられる割合は1%程度でとても低い割合となっています。
なぜこれほどタイヤのリサイクル率が高いのでしょうか。リサイクル製品として利用される目的の割合を見てみましょう。

JATMAの発表によると、国内で発生した廃タイヤのうち、燃料としてリサイクルされている割合が実に65%と、全体の過半数を占めています。
廃タイヤの半数以上は小さく切断・破砕され、石炭や石油などの代わりに燃料として用いられているのです。
タイヤの原料のうち、およそ60%は石油に由来するものです。適切な処理を行えば、安定した燃料として利用することができます。
廃タイヤを燃やした際に得られる熱は、軽油や重油などの石油製品と同じくらいだそうです。

また、単純に埋め立ててしまうとタイヤに含まれる様々な化学物質が環境に溶け出してしまう可能性があります。
ですが、適切な設備を持つ焼却炉で燃やした場合、熱エネルギーを得られるだけでなく、焼却灰といった最終的な廃棄物さえも別の目的に利用することができます。
このように廃タイヤを燃料として利用することで、環境に配慮しながらタイヤの材料を全てリサイクルの過程で使い切ることができます。
ただし、一般のご家庭でタイヤを燃やすことは厳禁です。タイヤには様々な化学薬品が配合されているため、排煙や燃えかすを適切に処理できる施設で燃やさないと、かえって環境に悪影響を与えてしまいます。タイヤを交換した際、多くの方は交換店舗にて処分を依頼しているかと思いますが、環境にも貢献できていると考えると嬉しいですね。

他にも色々リサイクル

他にも色々リサイクル

タイヤの原料はゴムだけではなく、カーボン、鉄鋼、線維製品など、様々な原料が使われています。
すり減って役目を終えたタイヤも、見方を変えれば原材料の宝庫なのです。したがって、タイヤから取りだせる様々な材料についてリサイクル手法が研究されています。

もちろん、すり減ったタイヤを新品同然に生まれ変わらせる技術もあります。タイヤの骨格であるカーカスが良好な状態にある場合は、表面(トレッド)を張り替えることでリユースすることができます。
性能についても製造工程において厳しくチェックされるため、イチから製造した新品とほとんど変わりません。特に消耗が激しいトラックやバスなどのタイヤにはリユース製品も用いられているようです。

タイヤからカーカスやベルトなどの部品を取り除き、残ったゴムを細かく粉砕したものは再生ゴムと呼ばれています。
運動公園などの歩道は、車が通るアスファルトよりやや柔らかい素材が使われていることにお気づきの方もいらっしゃることでしょう。
そう、実はあの柔らかめの歩道には、廃タイヤから取りだした再生ゴムも用いられているのです。他にも、この再生ゴムは水をよく通す舗装材として用いられたり、人工芝の材料として用いられたりと、多様な使われ方をしています。
また、タイヤを燃やした際の焼却灰についても、コンクリートの材料であるセメントとして利用したり、着色剤として利用したりと、様々な利用方法が実施されています。

ひと昔前は石油製品を燃やすとダイオキシンが発生するなどと言われ、避けられていたものですが、実のところダイオキシンは「塩素を含む物質が不完全燃焼した際に」発生する物質です。
車の排ガスを思い出してください。昔はマフラーから黒く煙が吹き出ていたものですが、現在ではフィルターや触媒の進化によって、有害物質はほとんど出なくなりました。
焼却炉も同様に、適切に燃焼させ、適切な排煙処理を行うようになっています。

まとめ

今回はタイヤがリサイクルされる仕組みをご紹介しました。
日本国内で発生した廃タイヤの再利用率が98%というのは驚きの数字ですね!
タイヤ交換の際、カー用品店などに引き取られたタイヤは様々な形でリサイクルされ、私たちの生活を支えてくれています。
タイヤフッドでは取付店舗を指定してタイヤを交換できますが、このときの工賃にはタイヤの処分料も含まれています。
処分された製品がリサイクルされていますので、エコロジーに関心をお持ちの方にも安心してご利用いただけます。

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