雪道の必需品!タイヤチェーンの基礎知識
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はじめに
雪道を走るタイヤとしてスタッドレスタイヤが普及して久しい現在ですが、コスト面からタイヤチェーンを選択する方も多くいます。
特に「たまの遠出やレジャーを除くと、ほとんど雪道を走ることがない」という方は、ノーマルタイヤに比べて高価なスタッドレスタイヤの必要性を感じられないかもしれません。
雪道で装着を義務付けられるタイヤチェーンには様々な種類があります。一般に知られいる金属製、非金属製の他に、最近では布製チェーンも存在します。
今回はタイヤチェーンの種類、チェーンを購入する際に確認すること、チェーンを装着して運転する際の注意点について解説します。
タイヤチェーンの種類
タイヤチェーンを大別すると、金属製、非金属製、布製の3種類に分類されます。
それぞれのメリットとデメリットを解説します。
1.金属チェーン
昔からあるオーソドックスなタイプでその名の通り、タイヤに金属製の鎖をかけることで、凍結路に対して高い性能を発揮します。
金属製チェーンは比較的安価であり、コンパクトに収まり、収納性に優れています。
デメリットとしては、走行時の振動や騒音が大きい、乾燥路面の走行は出来ないため(切れやすい)、路面に合わせて着脱する必要があります。
またメンテナンスを怠ると錆びてしまう等があります。
2.非金属チェーン
ゴムやポリウレタン樹脂など金属以外の素材で、積雪路でも凍結路でも、安定した性能を発揮します。
金属製チェーンと比較すると、柔軟な素材なので路面への衝撃が小さくなるという利点があり、振動や騒音が少ないため乗り心地が良いです。
また乾燥路面でもある程度の走行が可能で、金属チェーンよりも軽く装着が容易な点も優れた特徴です。
デメリットとしては、金属製に比べて高価であること、構造上、金属チェーンよりも収納時や車載時にスペースを取ってしまうこと等が挙げられます。
3.布製チェーン
2018年に国土交通省がチェーン規制に認可したことで、布製が一気に普及し始めました。代表的な製品としてオートソックやスノーソックがあり、比較的新しいタイプのチェーンです。
靴下のようにタイヤに履かせて装着するため、女性や初心者でも着脱が手軽に行えます。また振動や騒音も非常に少なく、乗り心地に優れ、折り畳んでコンパクトに収納することも出来ます。
走行性能に関しては、JAFの実験データによると非金属製タイヤチェーンと同等の性能を発揮しますが、「緊急時の脱出・安全な場所までの移動用」として開発されています。
よって耐久性は一般的なチェーンに比べて大幅に低く、長距離走行には向きません。
※高速道路等における冬用タイヤ規制時、またはチェーン規制時には通行できない場合がありますのでご注意ください。
チェーンを購入する際に確認すること
冬の降雪や凍結に備える際、チェーンを購入するだけでは不十分です。チェーンをタイヤに装着するシーンでトラブルに遭わないためには、事前の確認と準備は欠かせません。
装着位置の確認
チェーンを装着する際、通常は4輪の内の2輪に装着します。
FF車(前輪駆動)の場合は前二輪に、FR車(後輪駆動)の場合は後ろ二輪に装着するのが基本です。
4WD(四輪駆動)の場合は、その車のメイン駆動が前なのか後ろなのかで変わってきます。
分からない場合はカー用品店やガソリンスタンドなど、チェーンを取り扱っている店舗に相談しましょう。駆動方式の他、タイヤに適合したおすすめのチェーンを紹介してくれます。
必要な準備品
チェーンを装着する作業を行う際には、以下の準備品を用意しておくことをおすすめします。
チェーン装着時のシチュエーションは、気温が低い、天候が悪い、夜間など、さまざま考えられます。
どのような環境でも安全に作業が出来るよう、軍手あるいは厚手のゴム手袋、スコップ、懐中電灯は準備しておきましょう。
また防寒対策も重要ですので、雪や寒さに耐えられるフード付きの服装、長靴、使い捨てカイロ、タオルなどを準備しておくと便利です。
チェーンは製品によって取り付けの手順が異なるため、説明書をよく読み、雪道を走る前に着脱の練習をしておきましょう。
カー用品店やガソリンスタンドでチェーンを購入する際、店員から着脱方法を教えてもらっておくと、より安心です。
チェーン装着時の運転
タイヤチェーンを装着した際はいつもとはまったく違う運転になります。以下のポイントに注意しながら安全に運転しましょう。
走行速度に注意
一般に金属製のチェーンは30km/h、非金属製のチェーンは50km/hが走行速度の上限です。上限速度を超えて走行するとチェーンが破損してしまいます。
正確な数値についてはタイヤチェーンの説明書に記載されているはずですので参考にして下さい。
急発進、急加速に注意
急発進を行うとタイヤが空転し、スムーズな発進が困難になります。また、急加速も同様に厳禁です。
急制動に注意
チェーンを装着していても急な制動は不可能です。教習所で教わったように、ブレーキを何度も踏むポンピングを行ってください。
急ハンドルに注意
急にハンドルを切ると車体の制御が効かず、スピンしやすくなります。また、カーブを曲がる際にブレーキを踏むと横方向へのスリップが起こりやすくなりますので、一定の速度で緩やかにカーブを曲がることを心がけましょう。
チェーンは積雪路や凍結路での走行を前提として作られています。乾燥路面、すなわち通常の道路を走行すると、チェーンが破断しやすくなります。
特に金属製のチェーンは乾燥路面に入ったらすぐに外してください。着脱にあたっては、サービスエリアのチェーン着脱場など、安全が確保された場所で作業を行うことも重要です。
タイヤチェーン商品紹介
ここでは各タイプの代表的な製品をご紹介します。
雪道楽DASH
- 製品特徴
- ・金属チェーンタイプ
・低クリアランス車や偏平タイヤに最適!
・車の移動もジャッキアップも不要、簡単装着!
・偏平タイヤ・低クリアランス車等、多くの車両に幅広く対応!
・横滑りにも強いツイストチェーン採用!
・収納もコンパクト、車内の保管もわずかなスペースで済みます!
カーメイト バイアスロンクイックイージー
- 製品特徴
- ・非金属タイプチェーン
・簡単装着!初めてでも素早い取付け!
・両輪108本の超硬マカロニ型ピン採用でアイスバーンも確実グリップ!
・車両移動、ジャッキアップ不要!
・3箇所クイックロックによる簡単装着!
・丈夫で長持ち、頼れる品質、日本製!
・安心の国内メーカー3年保証!
AutoSock (オートソック)
- 製品特徴
- ・布製タイヤチェーン
・ノルウェー生まれの被せるだけの緊急用タイヤ滑り止めカバー!
・日本、ヨーロッパでは大手自動車メーカーが純正採用!
・かぶせるだけの簡単装着!
・軽量、コンパクトでかさばらない!
・クリアランスの少ない車にも装着可能!
・厚さ約1mmの特殊繊維なので、 抜群の乗り心地を実現!
※高速道路等における冬用タイヤ規制時、またはチェーン規制時には通行できない場合がありますのでご注意ください。
その他にも各社メーカーよりさまざまな製品がありますので、目的や予算に合わせて自分に合ったタイヤチェーンをしっかり選びましょう!
まとめ
今回はタイヤチェーンの種類、チェーンを購入する前に確認すること、チェーンを装着して運転する際の注意点について解説しました。
現在、タイヤチェーンには様々な種類があり、昔に比べて着脱も簡単になっています。目的と価格を考えて、自分に合ったチェーンを選びましょう。
チェーンをただ購入するだけでなく、着脱のシーンを考慮して入念に準備を行っておくことで、いざ必要になった際にスムーズにチェーンを着脱できます。
前輪と後輪、どちらのタイヤにチェーンを装着するべきなのか把握しておき、必要な道具も揃えておきましょう。
また、チェーンを装着しても乾燥路面と同様の走行はできません。積雪路や凍結路を走行する際は、いつも以上に慎重な運転を心掛けましょう。
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